『あら案内人さん、なんだかここで会うのが決められてた様な出会いね』
「訳しましょう。私がミサ。隣が通訳兼使いの者とお嬢様は仰られました」
『雨が降りそうな匂いがするわ』
「早速お家に入れせてほしい、とお嬢様は仰られております」
『まぁ、まるでフランス映画の中の様ね』
「とてもキレイなお部屋ですね、とお嬢様は仰られております」
『わたくしのドレス、キレイかしら?』
「このお部屋似あう?とお尋ねしておられます。似合っておりますお嬢様」
『なんだかお茶でもしたくなる気分だわ…』
「落ち着く空間ですねという意味です」
『それにパンケーキが食べたくなってきたわ…』
「これはキッチンがキレイでお腹が空いてきた、ですね」
『わたくしを満足させるのはなかなか大変よ。でもこのバスルームは…』
「窓あり。トイレにはウォシュレット、更に本等置くスペース..完璧ですね」
『…あなたの名前は?』
「褒められてしまいました。名を聞くとは褒める前段階ですから…やった」
『ここならドレスも安心だし星もきっとキレイね』
「あーこれはクローゼットも大きいし外も見えていいわ、ですね簡単です」
『…あなた、名を名乗りなさい』
「怒られてしまいました。名を言わせるのは叱る前段階ですから..しまった」
『この部屋に決めた、って意味よ』
「…お嬢様、今度から直接意味を話してもらってよろしいでしょうか?」
『素敵な家だったわ』
「素敵な家だったわと仰られております」
『最後に、こんな良い家を紹介してくれて…あなたの名前は?』
「…!!褒められておりますよ、案内人様!」
賃料12.5万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月
著 思い出の案内人