目が覚めると、知らない天井が広がっていた。
その天井は昨日の自分の記憶よりも何倍も高くて、そして白かった。
太陽で心地よく起きたのはいつぶりだろう?日当たりのいいお部屋だった。
それにしてもここはどこなんだろう…携帯を手に取るとWi-Fiが入っていた。
どうやらここはインターネットが無料で使えるらしい。
場所も検索出来た。自由が丘だ。
駅からは10分かからないくらいだろうか…いい立地だ。
キッチンは贅沢にガス3口。料理好きな方が住んでいるのだろうか。
色合いも白で統一されて、キレイな印象を覚える。
..この頃には僕はもう「何でここにいるか知らないけどこの部屋に住みたい」
と思うようになっていた。それくらい心地の良い空間だった。
バスルームもトイレもキレイで、いよいよ申し分ない..そう思った時だった。
独立洗面台の前に立つと、そこには知らない人間が立っていた。
つまりは、そういうことだ。
僕は知りもしない誰かになって朝を迎えたらしかった。
自分が誰なのかわからないまま、それでも部屋の事は気になる…
実は丁度、引っ越しを考え始めていた時期だったのだ。
少し迷ったが、僕は最後までこの部屋をめぐることに決めた。
これはロフト…だろうか?ちゃんと見たのは初めてだった。
住んだことがなかったのもあってか、僕はこの空間に強烈な憧れを抱いた。
そしてふと、また眠ったら違う部屋にいたりしないか?と考えがよぎった。
僕はもう一度ベッドに入ることにした…
賃料11.8万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月