「夢って見るものでしょ?」
「いや、夢は叶えるものだと僕は思うよ」
「やっぱ合わないんだよなー。荷物持ってくれてありがとう、鍵開けるね」
「うん。ありがとう」
「それにしても今日もお部屋は明るいね、僕頑張っちゃおっかな」
「それにしても今日も世界は疲れるね、私寝っ転がっちゃおっかな」
「お昼からダメだよ。ほら、僕料理するから食器準備して」
「はーい」
「料理長、今日は御馳走がいいです」
「キッチン広いんだから少し手伝って。カウンターに頬杖付かないで」
「私は食べる担当なのであります。ひっく」
「冷蔵庫冷蔵庫…あっなんか缶ビール減ってる」
「一人でお風呂入れるの?」
「大丈夫だよ。おっと」
「!!」
「嘘だよー」
「……」
「えっごめんそんな本気にしないで、ごめんね、元気出して」
「ところでさっきの話の続きだけど…君の夢は何ですか?」
「んー…お嫁さんになって幸せになること、って言ったら?」
「その夢を叶えるのが僕の夢、って言ったら?」
「…二人とも間違ってたね。夢って夢じゃなくなるものなんだね」
賃料11.4万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月
著 思い出の案内人