光の正体を知りたかった。
まだ知らないその中身がどんなものか、触れたくて、掴みたくて…
だから俺は、故郷を出てきたんだ。
案内人さん、今日はありがとうございます。
いつだって明るいやつっているじゃないですか。俺の周りにもいたんです。
そいつが高校を出ると同時に「東京に行く」って言って、本当に行って…
あいつが憧れた東京はどんな街だろうって、遅れたけど俺も出てきました。
そして今日は、その東京の家を見に来ました。よろしくお願いします。
入った瞬間からオシャレというかスマートというか…
これが東京…なんかこう、いきなり見せつけられた感じがする…
お風呂とかは…?
光の水たまりができてる…!
キレイなだけじゃなく窓まであって…日差しもこれだけ…
気持ちよく起きられる「太陽の目覚まし時計」もあながち夢じゃないな..
それにこのロフト…明るさはもちろん、形に遊び心もある…
こういう家の楽しみ方をこの部屋で初めて知ったよ。
都会には僕の知らないものが、知らない家が、沢山あるんだな…
それにしても明るい部屋だ…
あの光はどこから…?
光の正体はバルコニーからだったんだ…!
案内人さん、俺なんだか分かった気がするよ..あいつが明るく光ってた理由。
明るい理由は、毎日が楽しくて仕方なかったからなんだろうな。
そしてあいつもこの家も…
光の正体は、幸せそのものなんだね。
賃料11.5万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月
著 思い出の案内人