「2人でこれから暮らそうかって話してて、その時このお家を見つけて」
「そうなんです、新生活を新築のお家で出来たら素敵だなって!」
「「だから、今日はよろしくお願いします!!」」
~101号室 賃料10.8万円~
「ここが101号室ですね、どれどれ…えっ、キレイ」
「わー天井高い!!これ高志でも手届かないでしょ!」
「そうだね、日向だったら3人分くらいあるんじゃない?」
「ちょっと、それは言い過ぎで…え、ほんとにあるかも」
「見てみて!すっごい日当たりだよ!」
「ほんとだ、これならお家で日向ぼっこできるね」
「日向と日向ぼっこだね、幸せだね」
「キッチンも明るい…この家すごいな!」
「しかもすっごい広いよ!ここに冷蔵庫おいて、ここに食器棚おいて…」
「こらこら、まだ他の部屋も見るよ?」
「ちょっと高志見て、お風呂広いよ!!」
「うわ、ほんとだ…ここにシャンプーおいて、ここにリンス―おいて…」
「これこれ、他の部屋もまだ見るの!」
「わーこれがロフトかぁ!私好き!」
「僕たちこれが楽しみだったんです、他で中々見ない作りじゃないですか」
「ねぇ後ろ見て、窓もあるよ!」
「ほんとだ。他の部屋も見てだけど、この家…やっぱいいなぁ…」
~102号室 賃料10.5万円~
「お邪魔しま~す…わっ、広っ!ボーリングできるよ!」
「やっちゃダメだしやったことないでしょ!でも、ほんと広いね」
「スドーンだね、スドーン!」
「いや、そんな稚拙な表現…」
「これはズドーンだわ」
「でしょ!気持ちのいい眺めだよねー」
「この間取りもいいなぁ…くそう、なんて贅沢な悩みなんだ…」
「ここもロフトあり、と。ほんとカワイイ!」
「この眺めいいよね、お家の中でこの開放感だもんなぁ」
「こういう楽しいお部屋、住めるうちに住んでみたいなー?」
「そんな僕を困らせないでくれ、今すっごい心揺れ動いてるんだから!」
「ここもいいお部屋だったし、このお家住みたいなぁ。高志はどう?」
「迷ってる」
「えっ、住みたくない?」
「…どの部屋にするか迷ってる」
~103号室 賃料11.1万円~
「ささ、最後の部屋ですよお客さん」
「君もお客さんでしょうが。うわぁここもいい…」
「優柔不断だなぁ、高志は」
「そう言う日向はどうなのさ」
「んー?…んー?」
「水回りも豪華なんだよなぁ、洗面も大きいし」
「あとタイルの色合いすっごいカワイイよね!私これ好きだなぁ」
「確かにこの感じもあまりないよね。こだわってるんだね」
「わートイレきれい!シュッとしてるね、シュッと!」
「擬音好きだなぁ。でもほんとスマートだね。ウォシュレットもあるし」
「それじゃ、最後はやっぱりあの空間ですよ、お客さん!」
「やっぱいいなー!なんかもうどうしよう日向!」
「この広さに明るさに設備に…さぞモテるに違いない」
「探偵?探偵なの?」
「そうだよ、私は名探偵日向。私の推理によると高志は今、迷ってるね?」
「よし、決めた…日向、落ち着いて聞いてね」
「迷っても最後はしっかり決断…やっぱ私の彼氏は男らしい!それで?」
「2階の部屋も全部見て決める!!」
「あららー…こうなったら、2人の愛の巣探し、第2ラウンド突入だね!」
僕たちの新築放浪記・2階編に続く