「あんたが案内人か。なんだ?子供じゃねぇよ、俺達は老けねぇんだ。
まぁいいや。俺がナーサティヤ。そしてこっちが双子の弟のダスラ」
『すいません突然…今日はよろしくお願いします』
「エルフの国には仕来りがあってな。400歳の前に家を出なきゃダメなんだ」
『そんなこと言って…お兄ちゃんお父様に怒られて家出しただけじゃん…』
「うるさい!これから二人で暮らすんだ。靴も充分入りそうだな」
『すいません、僕連れてこられただけで…お兄ちゃんは一人で暮らします』
「中々綺麗だな。おいダスラ!今日から二人でこのお風呂に入るぞ!」
『僕は家出ないって!あといい加減一人でお風呂入れるようになってよ…』
「嫌だね!昔見たあの、なんか…恐ろしい映画のせいで嫌なんだよ!」
『それもう317年前の出来事だよ…』
「おいおい!人間は背も高けりゃ天井もこんな高いのかよ!」
『すごい…』
「ったく贅沢してんなぁ!どう思うダスラ!」
『あの…このお部屋、二人って大丈夫ですか?』
「庭もあるとは…しかもオヤジの部屋よりでけぇぞ…」
『そうだね…あ、案内人さん!今のはお父様には内緒で…』
「ん?なんだこのハシゴ」
『え、なんですか?これ』
「おいなんだここ!ロフトって言うのか!?」
『え、すごい!しかも二つあるんですか!』
「こっちの広いの!ここは俺のロフトだ!」
『違うよ僕のだ!いつもお兄ちゃんばっかずるいもん!』
「おいこっちにはエルフの帽子置きまであるぞ!こっちも俺のだ!」
『どっちもはずるいよ!大体お兄ちゃんだからって何が偉いのさ!』
「な、なんだダスラ…や、やるかぁ!?」
『それに双子って最近じゃ先に生まれた方が兄に変わってるんだよ!』
「…お兄ちゃんだからって何が偉いんだ?」
『..案内人さん今日は有難うございました。お兄ちゃんは一人で暮らします』
賃料11.2万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月
著 思い出の案内人