『えっと…その家具や食器の量は…』
「…僕の元執事達で…今はこんな見た目ですが…僕が言うのもなんですが…」
という訳で、本日は美女と野獣の「野獣」さんの登場です。
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「………」
えっ、前回の白雪姫と打って変わって今度は無口なわけ…!?
何か話すか…『あの…失礼ですが、野獣さんはなんて名前なんですか…?』
「…実はアダムという名で…もう誰も名前では呼んではくれませんけど…」
…完全に話し方ミスったな…
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挽回せねば…『日当たり良いベランダもあるのでお持ちのそのバラなども…』
「…これはもういいんです。枯れるのが花なので…」
…もう私どうしたらいいのよ…鏡よ鏡よ鏡さん…
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負けるな私…『床下炭を採用してるので、湿気対策などもお任せ下さい』
「…僕、湿っぽい性格なんで…」
負けそう私…『そ、そうですか…』
「…これは、いいですね…」
…王子様がこんな面倒で卑屈な人になるお話なの?「美女と野獣」って…
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「…僕でも入れるお風呂だ…この世界に来たものの噂通り中々なくて」
事実、ここ数年で自由を求め物語を飛び出す人達が多かった。
…大抵は物語中何らかの呪いをかけられた人達なので悲しい最後を迎えるが…
きっとこの「野獣」も安らかな時間を求めやって来たのだろう。
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『クローゼットも大きいですよ。野獣さんはお一人で住む予定ですか?』
「…執事達と…」
家具と食器のことか。ノーカンだ。
「どこにいるか、誰かも分かりませんけど…好きな人と…」
え?
「…その人だけは名前で呼んでくれたんです。…だから、好きに…」
どこにいるか誰かも知らないって一度会っただけってこと…?
いや…色々気になることはあるけど…
初対面でこんな強面の人(獣?)を名前で呼ぶなんて、どんな人なんだ…
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賃料23.8万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月
著 思い出の案内人