第一話「『月が綺麗』が愛してるなら」@渋谷区恵比寿2丁目

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「だって話も止まらなくなりますよ。3年ですよ?」と彼女は言った。

「毒リンゴに騙されて、おまけに目覚めたら俺が王子だって。誰ですか」

あぁ、白雪姫も随分お喋りになったもんだわ、と思った。

「だから飛び出してきちゃいました」と笑う彼女の周りには小人の群れが。

「この人数でも靴入りそうですね!あと森の動物達も呼んだんですけど…」

相変わらずのお姫様気質め…でも今はこれが私の仕事…

『こちらへどうぞ…あ、小人まで!鹿は上がらないで!小鳥さんもダメ!』

「水回り綺麗…それにTVモニター!あの魔女本当怖かったんで安心です」

一斉にうなずく小人達。カメラの外に映りたがる動物達。

…もう苦笑いを作ってやり過ごそう。『そうなんですね』

「そういえば私、絵本から飛び出した時一人?一頭?の獣に会ったんです。

その日はすごく月が綺麗な夜で…優しい方だったんです」

『…そうですか。こちらFFC活水器で綺麗な水をご提供しますが…』

「あぁそれで思い出した!お話の中で私が言ったんです。

『月が綺麗』が愛してるなら『水が綺麗』は一緒に暮らしませんかだって」

私が話してる途中なんだけど…『そしたら、どうしたんですか?』

「静かに聞いてくれました。それが嬉しかったんですよ」

『…次のお部屋へ行きましょうか』

「ドレスもたくさん入りそうだし、良いお部屋ですね」

やっとそれっぽい話になった…『ありがとうございます』

「今日はとても楽しかったです。お部屋どうしよっかなぁ…

あ、でも今度また違うお部屋も見れるんですよね。楽しみにしてますね」

…もう今日は久々に高いワインでも飲もう。『ぜひとも…』

    

その時の私はまだ知らなかった。この世界には

「運命から逃げ出して出会う二人」がいることを。

賃料21.8万円 敷金1ヶ月 礼金1ヶ月

著 思い出の案内人

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投稿者:

jrent

私どもJRENTが最も重要視するのは楽しむことです。住居が心地よく、楽しく過ごせれば、 生活はもっと充実して楽しくなります。その為には提案をする社員全員が人生をとことん楽しみ、そして、その楽しみの輪をたくさん広げていけるよう、住居と生活の楽しみを追求してまいります!